恋せども愛せども 唯川恵

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祖母と母、娘2人の家族小説。

祖母と母親と暮らしてきた姉妹2人。
しかし、この姉妹はおろか、全員が一切血のつながりは持っていなかった。
ある時、2人は祖母と母親、ともに再婚することを聞かされる。
喜ぶ一方で、自分たちの恋愛を振り返る姉妹。
姉妹は、仕事や恋愛のことで、転機を迎えていた。


これまでの唯川さんの作品とはちょっと変わって、わかりやすいドロドロはあまりありません。
家族のつながり、恋愛、仕事といった女性の人生に関わるテーマをまとめて扱っている印象です。

だからといって、別にゴチャゴチャしているわけではなく、読みやすくはありますが、
これまでの唯川さんのファンの中には、「なんかスッキリしない」という人と、
「テーマが深くなった!」という人に別れそうです。

個人的な感想としては、文学作品としては深みのある展開なのかもしれませんが、
こういった作品なら、別に唯川さんじゃなくても・・・と思ってしまいました。

唯川さんにとっても、書きたかった実験的意味合いが強いのかもしれません。


個人的5つ星:☆☆☆


不運な女神 唯川恵

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不幸な女性を主人公にした連作短編集。
ちょっといい話と、どこか切ない話がいっぱいです。

「道連れの犬」
駆け落ちして、男と同棲した主人公。
自分も、相手も結婚していたのに、すべてを捨ててきた。
が、相手の男はまた違う女の元へと行ってしまう。

「不運な女神」
40過ぎの未亡人。亡き夫の母親と連れ子と、血のつながりはない2人と同居していた。
ある時、そんな彼女が結婚を申し込まれた。
この2人をどうするか、主人公は悩み始める・・・。

「凪の情景」
夫の弟が亡くなった。元々体が弱かったが、自殺と言う形で人生の幕を閉じた。
人間として、どこか気になっていた主人公は、彼の思い出を振り返る。

「枇杷(びわ)」
不倫から、結婚までこぎつけた主人公。
が、夫はまた新しい女の元へと行ってしまう。
そんなある日、夫の実家から今年も枇杷が送られてきたが、
それは実は実家からではなかった。

「ドール・ハウス」
母親、長女である主人公、そして妹と、全員がバツイチだった。
ある日、かつて教員をしていた母親は痴呆になり、いつしか昔の職場だった小学校に
行くようになってしまった。

「桜舞」
バツイチで、一人暮らしをしている主人公。
買ったばかりのマンションの隣りに、高層マンションが建つことになった。
そこから、彼女に不幸が次々と降りかかる。

「帰省」
これまで、付き合っていた男の都合で人生の選択をしてきた主人公。
今もまた、不倫相手が勤めているスーパーで働いていた。
ある日、母親の体調が悪くなり、田舎に帰省することになった。

「彼方より遠く」
結婚していたが、男と駆け落ちして同棲生活を送っている主人公。
近くのスナックで働いていたが、そこは彼女にとってとても居心地がいい場所だった。


ちょっといい話と、どうしようもないくらい絶望的な話が混じっています。
また、主人公は少しずつリンクしているんですが、とりたてて話に関係はしてきません。

気軽に読めて、わかりやすい話は、まさに唯川恵といったところです。


個人的5つ星:☆☆☆☆


息がとまるほど 唯川恵

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恋愛ホラーとでも言うんでしょうか。
女性を主人公にした、ちょっと怖い話の短編集です。
もちろん、幽霊などが出てくるわけではなく、裏切りや妬みといった、心理的なホラー。


「無邪気な悪魔」
主人公の女性は、2人の男と付き合っていた。
1人は不倫。そして、もう1人は婚約者。
いよいよ結婚が近くなって、後腐れのないように、不倫相手と別れようとするが・・・

「ささやかな誤算」
30半ばのホステスである主人公。
もうすぐ自分の店を出したいと、将来自分の店のスターにすべく、
新人のホステスを妹のように教育していく。

「蒼ざめた夜」
不倫をしていた主人公は、相手を奥さんと別れさせて不倫相手と結婚した。
だが、結局その夫は若い女とまた浮気をするように。
そんなある日、声をかけてきた若い男性に心が揺れる。

「女友達」
昔から美しく勉強もできた主人公。理想の相手を求めて37歳になっても独身のまま。
昔からの女友達は、そんな主人公を憧れの対象というが・・・

「残月」
37歳の主人公は、雑貨店の会社を立ち上げ、大成功していた。
そこにやってきた二回りも下の若手社員に、自然と心が惹かれていく。

「雨に惑う」
電車の中で傘を押し付けてきた若い女の子に怒りを覚える主人公。
後をつけ、相手の家を知ったことで、なにかイヤなことがあると、
その家に恐怖の手紙を送るようになっていった。

「一夜まで」
かつて、恋をした家庭教師の男と、1年に1度だけ出会っていた。
結婚も子供もいる自分だが、どうしてもその約束の場所へと向かっている。

「あね、いもうと」
二卵性双生児の姉妹。
妹の結婚式に行った姉。が、その婚約者は式場にやってこなかった。
まったく違う性格だと思っていたが、男に振り回されるところは似ていた。


とにかく、これでもかというくらい不幸のオンパレード。
デフォルメされているところもありますが、確かにこういう不幸な女性はいるよなあと
思ってしまいます。

女性の方は、読むと少し気持ちが落ち込むかもしれません。


個人的5つ星:☆☆☆☆


サニーサイドエッグ 荻原浩

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「ハードボイルドエッグ」の続編。
絶対に前作から読まなければいけないということはありませんが、まあ順番に読んだ方がいいとは思います。
コメディー推理小説。


ハードボイルドを気取る主人公は、探偵。
未解決事件に関わる日を夢見ているが、実際は迷子ペットを探す仕事がほとんど。
今回もまた、ペット探しの依頼を受けるが、
主人公が一目ぼれしてしまうほどの美人の女性のペットと、ヤクザのペットを探すことになってしまった。
そんな時、知り合いから秘書を雇わないかと持ちかけられる。
美人と聞いていたら、とんでもない女子高生だった・・・。


ここのところ、ずっとシリアス路線の作品ばかり書いていた荻原さん。
しかし、やっぱり荻原さんのコメディはおもしろいと改めて教えてくれる一冊です。
キャラクターがしっかりしていて、思わず笑ってしまうところもしばしば。

その中で、探しているペットに関する真実が徐々に明らかにされる展開で、
途中で読むのを止めることはできませんでした。

気軽に読める一冊だと思います。


個人的5つ星:☆☆☆☆


夜明けの街で 東野圭吾

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不倫小説&ミステリー小説。


不倫をする奴はバカだとずっと思っていて、自分はもう恋愛なんて卒業したと思っている 妻子を持つのサラリーマン。
ところが、最初は何の感情も持っていなかったはずの派遣の女の子と不倫関係に陥ってしまった。
付き合っていくうちに、彼女の家でかつて殺人事件が起こり、その犯人はまだ捕まっていないことを知る。

彼女の謎めいた発言、彼の元にまでやってくる刑事。
彼は、真実が知りたくなっていく。


推理ものというよりは、この不倫に陥ってしまう男性の心理を描いている方が強いです。
男は、いつ奥さんにバレるんだろうとドキドキするでしょうが、女性にしてみれば
男の自分勝手な言い分に腹の立つ部分も多いかもしれません。

東野さんの作品として、賛否両論あるようですが、これまでの「すごい!」というインパクトよりも
「うん、おもしろい」というのが個人的な感想です。

そんなに期待せずに、読んでみたほうがいいと思います。


個人的5つ星:☆☆☆☆